院長が労務の事務作業を抱えないための分担のしかた

院長が労務の事務作業を抱えないための分担のしかた

診療が終わったあとにスタッフの勤怠集計をしたり、社労士や税理士との連絡に追われたりしていませんか。日々の診療だけでも集中力を求められるなか、こうした労務まわりの事務作業をご自身で抱え込んでいる院長先生もいらっしゃると思います。この記事では、院長が労務の事務作業を抱えないための分担のしかたについて、事務長代行を行う私たちが実際に現場で進めているやり方をご紹介します。

この記事の要点

  • 専門的な判断や行政手続きは社労士や税理士が担当します
  • 私たちは専門家と医院の間に立ち、資料準備や運用を受け持ちます
  • 院長先生は診療や経営など大切な業務に専念していただけます
  • 月次の定型業務を期日ごとに分担して進めます

この記事で紹介している給与計算・勤怠集計・給与辞令の作成や、社労士・税理士の先生とのやり取りは、事務長代行のincrewにまるごとお任せいただけます。
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労務の3者の役割分担

労務の業務を整理する第一歩は、社労士・事務長代行・院長先生の役割を明確に切り分けることです。

労務は社会保険労務士の専門分野です。当社の役割は、社労士と医院(院長先生)の間に立ち、資料の準備や日々のやり取り、院内での運用を受け持つことです。税務に関しても同様に、税理士との間に立ちます。基本的な役割分担は次の表の通りです。

担当 受け持つこと
社労士(税務は税理士) 専門的な判断、行政への手続きや届出
私たち(事務長代行) 社労士・税理士と医院の間に立ち、資料の準備・やり取り・院内での運用を担当
院長 診療や、院長にしかできない大切な業務に専念

こうした専門家への連絡や資料の準備は、本来は院長先生ご自身が行うものです。しかし、細かな確認作業が多く、診療の合間や夜間に進めるには大変な時間と手間がかかります。院長先生の貴重な時間は、診療や医院の将来の方向づけなど、先生にしかできない大切な業務に使っていただきたいと考えています。なお、最新の法令や制度については、所管の官公庁や社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

私たちが最初に確認すること

医院にお伺いして労務や事務の分担を整える際、私たちはまず院内の担当区分とスケジュールを確認します。

無理のない分担を作るために、以下の点を確認していきます。

  1. 医院側で行う日次業務の確認(日計表の記入やレジ締めなど、日々の現金管理の担当を確認します)
  2. 給与計算と勤怠集計の締め日と支給日(毎月のスケジュールを把握し、作業日を設定するためです)
  3. 連携している社労士・税理士の連絡窓口と提出期限(毎月のやり取りを誰がどのように行うかを取り決めるためです)
  4. 有給休暇の管理方法と提出ルール(医院ごとの運用状況を把握し、残日数の集計手順を合わせるためです)

私たちは月2回の訪問を基本としており、毎日医院にいるわけではありません。そのため、毎日の現金管理などは医院側の担当としてお願いし、月次で動く事務作業を私たちが受け持つ形をとっています。

実際の進め方

毎月の定型業務は、日付ごとのスケジュールに沿って段階的に進めていきます。

  1. 毎月1〜10日:住民税の支払いと日次確認
    医院側で日計表やレジ締めを行っていただき、私たちは期日までに住民税の支払い業務などを進めます。
  2. 毎月1〜15日:給与計算と税理士提出資料のとりまとめ
    私たちが給与計算を行います。あわせて、前月分の税理士提出資料(領収書、請求書、保険診療報酬支払通知書、会計表、クレジットカード使用明細と入金、通帳記帳)をまとめます。
  3. 毎月16〜30日:勤怠集計の送付
    私たちが勤怠集計を行い、医院別のPDF(A4縦・対象年月を明記)にしてメールで送付します。偶数月に有給休暇の残日数を提出する医院では、その集計も行います。
  4. 毎月20日まで:前月分のレポートとミーティング資料作成
    前月分の状況をまとめたレポートや、ミーティングで使用する資料を私たちが作成します。
  5. 毎回の訪問時:進捗の更新と情報発信
    訪問の都度、全体の業務進捗を更新し、Googleビジネスプロフィールへの投稿作業を行います。

この作業を、まるごとお任せいただけます

給与計算、勤怠集計のPDF化、住民税の支払い、給与辞令の作成まで、月次の事務長業務として私たちが進めます。社労士・税理士の先生とのやり取りも、私たちが間に入って進めますので、院長先生は本来のお仕事に専念いただけます。

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つまずきやすい点と対策

資料の期日や確認のルールがあいまいだと、専門家への提出や給与計算で確認の往復が増えてしまいます。

私たちが実務を行うなかで、特に気をつけているポイントは次の通りです。

  • クレジットカード明細と通帳の扱い:利用日ではなく「引き落とし月」を基準にして提出月を決めます。印刷した資料には、内容がひと目でわかるよう用途を鉛筆で記入しておきます。
  • 勤怠集計の体裁:勤怠集計データは、医院別のPDFとしてA4縦で作成し、対象年月をはっきりと明記してメール送付します。形式をそろえることで、確認の際の行き違いを防ぎます。
  • 専門的な判断の線引き:就業規則の法的な判断や行政への届出は社労士の専任業務です。当社で勝手に判断せず、疑問点は必ず社労士に確認を取るように整理しています。

医院側で準備しておくと早いこと

私たちが間に入ってスムーズに作業を進めるために、医院側で事前にそろえておいていただくと助かる資料です。

  • 領収書や請求書(月ごとに保管されているもの)
  • 保険診療報酬支払通知書
  • 会計表
  • クレジットカードの使用明細と入金がわかる書類
  • 記帳済みの通帳
  • タイムカードや出勤簿などの勤怠記録

よくある質問

Q. 社労士や税理士への手続きもincrewが代行してくれるのですか?

A. 行政への届出や手続き、専門的な判断は社労士(税務は税理士)が行います。当社はその前後の資料準備や連絡、院内での運用を担当します。

Q. 毎日のレジ締めや日計表の記入もお願いできますか?

A. 日計表の記入やレジ締めは医院側の担当としてお願いしています。当社は月2回の訪問が基本のため、毎日の現金管理は院内で行っていただきます。

Q. 有給休暇の管理や勤怠の集計はどのように行われますか?

A. 毎月16〜30日に勤怠集計を医院別のPDF(A4縦・対象年月を明記)にしてメール送付します。偶数月に有給休暇の残日数を提出する医院もあります。

まとめ

労務や月次の事務作業は、社労士・事務長代行・院長先生の役割をきれいに切り分けることで、院長先生が一人で抱え込まずにすむようになります。専門的な手続きは社労士にお任せし、事前の準備や日々のやり取りを私たちが受け持つことで、院長先生が診療や大切な判断に専念できる環境づくりをお手伝いしています。